はーい!Makoです。お久しぶりです!
みなさま、楽しんでいらっしゃいますか?
昨日のシャンティさんからの続きを・・・。
今、2019 春夏コレクションに向けて動いています。
何しろ、TAKSU AMANATのお洋服は日本では季節服(?)ですからね・・・笑
このお洋服が出来上がり、あなたの元に届くまで、たくさんの方が関わってくださっています。
昨日もチラっと触れてましたが。
私たちはバリの伝統文化と、それにまつわるバリの人たちの神様ごとのセレモニーとバリ歴の暮らしのリズムをリスペクトしているので、コレクションまでにどれだけカタチになっていくのか・・・なのですが、
そんな神と共にある暮らしの中で生まれる一つ一つの作品を心待ちにしていただけたら・・・と思います。
私たちは、流れ作業のモノ創りは一切しません。
一つの作品が(お洋服ひとつとってみても、私たちは”製品”、”商品”というより、”作品”と思って接しています。そして、その想いを携わってくださる職人さんにもお伝えしています。)出来るまで、例えばお洋服ですと、一人のテイラーさんが、布の裁断、縫製までの工程を全てしていただいています。
かつて日本でも、我が子のお洋服(着物)を、お母さんが心を込めて作っていたように。
そんな気持ちで布に接してもらっています。
できうる限り、手染め、手織りの布ですので、無駄にする部分がないようにデザインを考え、パターンをとっています。
初めて手織り布をお洋服に裁断してもらったとき、一人のテイラーさんは「はさみを入れるの かわいそう・・・」とつぶやかれました。
(この布は無地ではなく、とても繊細で凝った模様の布でありました。)
その言葉を聞いて、この方に縫ってもらおう、裁断していただこう、と思いました。
同じ想いをもっている方だと感じました。
デザインは、着物のように直線裁ちにしていたのですが、(なぜなら、美しい手織りの布をできるだけ傷つけたくなかったので、洋服のような立体デザインは避けて、直線仕様にしていました。)それでさえ、織り子さんによる美しい手織りの模様にはさみを入れるのははばかられたようです。
ご神事に使われる正装、代々使われる布(サロン)なのですから・・・。
こういった一つ一つの出来事が、人との出会いが、私の宝物です。
それからいろんな話をして、私たちの想いを伝えました。
本当は私も布にはさみを入れたくない。
初めてバリへ来た2012年、この美しい手織りの布に魅了されました。
私は幼い時、手織りの布や染め物、反物、着物が間近にある暮らしをしていました。
毎年の晴れ着は祖父が染めてくれた反物を祖母が縫ってくれて、新調してもらっていました。
いろんな美しい手描きの模様がありました。
着物の見本帳のようなものに貼り付けてあるはぎれでお人形の洋服とか作って遊んでいました。
大きくなって色味が合わなくなると、洗い張りして、染め直して、また仕立て直してもらうと、新調したかのように生まれ変わり、蘇ります。
それがとても美しいなぁと思っていましたし、なんか嬉しかったです。
そういった事も祖父の代で終わりました。
身近にあった手描きや手織り、染めの世界は遠いところへ行ってしまっていました。
だから、バリに初めて来た時、これらの布に出会ってすごくなつかしい気がして、まだここにはこんな暮らしと営みが息づいていると、本当に嬉しくなったのです。
でも、織り手さんや工房にいろんな話をうかがうと、バリもだんだん手紡ぎ、手染め、手織りは少なくなってきていると聞いたのです。
だんだん機械化されて、織り手さんの担い手も減ってきていると・・・。
私たちがたどってきた道と同じ。
高度成長期とともに失ってきた職人さん仕事。
でも、ここならまだこんなに普通にみんなが正装(民族衣装)を着ているので、まだ間に合うのかも?と思った。
でも、よくよく話を聞くと、布ではなくカンタンに着れるスカート型のサロンが流行している、布をまとう機会が減ってきていると。
私にできることはないかな、と思い、そこでこの美しい布を日本の皆さまにも手に取って、見て、触れてもらおうと、布を紹介することに・・・。
皆様、たいへん喜んでいただいて、美しい!と。
でも、布ってどう使えばよいのか、よくわからないと言われました。
私は布が、どんな布も大好き!ですから、大判の布をよく洋服代わり、ストール、いろいろ使いまわしていましたが、ふだん布と接することがない方はもてあますよう・・・。
せっかくの美しい布が、インテリアとしての飾り布だけ、というのも少しさみしい・・・。
手織り布こそ、身にまとってこそ、その本領を発揮します!
ご神事の布で、祈りを込めて織られているからこその、プロテクト感、安心感が、肌に触れるとすぐわかります。
その当時、私はヘンプやオーガニックコットン、リネンで自分のお洋服を作って着ていました。
美しい布はそういったお洋服のアクセントになります。
よく、「そのお洋服はどこの?私も欲しい」とリクエストを受けてたので、その時ピン!ときたのです。
手紡ぎ、手染め、手織りの布を使って洋服に仕立てると、着やすく、身近になるんじゃないかと。
特に、直接肌に触れる下着、タンクトップ類・・・。私も欲しい!作ってみよう!
だからこそ、普通のお洋服のように立体的なパターンをとるのではなく、直線で着物のようなイメージ、折り紙を折るイメージ。
布を無駄にしない!ということを一番のコンセプトにしました。
余ったところで下着や小物を作ります。
お洋服になったら、「布が身近になった」と言われ、喜ばれました。
ほんとに軽くて心地良いのです。
このコトをテイラーの女性に話すと、とても喜んでくれました。
見知らぬ国の人たちが、自分たちの伝統的な布をまとい、喜んでくれている。
織り手の女性も、写真を見せたら「これは私が織った布」そう言って、とても誇らしげ・・・。
1枚1枚、大切に丁寧に織られます。
「布が痛くないように、スパッとはさみを入れるね!」と前述の女性。
「布がこんな素敵なお洋服に生まれ変わって、着ている女性が嬉しそう。布も私も嬉しい」と言ってくれました。
写真の美しい布の洋服を着て、嬉しそうに微笑んでいる女性たちを見て、みんな目がキラキラしてた。
自分たちの作っているモノが他の国の女性を喜ばせている。
「チョッチョー(似合っている)、チャンティ(かわいい!)」と大盛り上がり!
「素敵だね~、嬉しいね~」「私も着てみたい」と思いは異国の女性たちへ・・・。
そうした中で、このTAKSU AMANATのお洋服は生まれます。
それぞれの想いが糸に、織りに、縫いに紡がれて、ひとつのハーモニーとなり、カタチとなって現れます。
神々の宿る島、祈りと共の暮らしの中で生まれる布とお洋服。
来春5月に春夏コレクションとして、皆さまにお披露目します。
あなたの大切な暮らしのパートナーとなれることを祈りながら・・・。
長文、読んでくださってありがとう。
今日もご機嫌さんで行こう♪